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No.1 本州に衝突した南洋の火山島

No.1 本州に衝突した南洋の火山島
大移動と衝突を語るもの

伊豆半島の起源はそもそも日本にない。

伊豆半島の起源は、南の海で活動を繰り返した数多くの火山が、長い距離を移動した後に、本州に衝突して半島となったところにある。
伊豆の「大移動」の衝突を語る証拠のうち、目に見えるものは多くはない。
南洋にしか生息しない生物の化石を含む石灰岩や石灰質砂岩がそれであり、これらがおそらく唯一のものであろう。
本州への衝突の証拠としては、かつて伊豆と本州の間にあった海峡を埋めた地層の存在があげられる。


伊豆半島を乗せたフィリピン海プレートは、今でも年間数センチメートルという、ゆっくりとしたスピードで北西に移動している。
つまり伊豆は衝突した後、現在もなお本州を押し続けており、本州側にも、伊豆自身にも変形を与え続けているのである。

【画像提供:伊豆半島ジオパーク推進協議会】

梨本石灰岩(河津町)

梨本石灰岩(河津町)

神縄断層~衝突の現場~

神縄断層~衝突の現場~

下白岩の石灰質砂岩

下白岩の石灰質砂岩

No.2 海底火山群としてのルーツ

No.2 海底火山群としてのルーツ
海底噴火の証拠と火山の根

本州に衝突して半島化する前の伊豆は、ほとんどが海に没していて海底火山活動を繰り返していた。
海底噴火では陸上の火山とは異なる独特の噴出物を残す。
海の中で、表面張力によってチューブ状の流れになった溶岩(枕状溶岩)、水とマグマの激しい反応によって砕かれた溶岩や、海底噴火に伴い発生した熱い土石流、海底に降り積もった軽石や火山灰などである。
伊豆は本州との衝突に伴って全体が陸化したため、本来ならば海の底にあるはずの海底火山群を、陸上で直接観察できる珍しい場所となっている。

さらには海底火山が陸化した後、波に削られた結果、火山にマグマを送り出したパイプ(火道という)の部分、つまり通常は見ることのできない火山の「根」にあたる部分も各所で観察できる。

特に西伊豆・南伊豆地域は海底火山に関する数々の先進的・国際的な研究が行われ、いわば世界の海底火山研究のメッカ(聖地)のひとつになっている。

【画像提供:伊豆半島ジオパーク推進協議会】

西伊豆町一色の枕状溶岩

西伊豆町一色の枕状溶岩

堂ヶ島海岸

堂ヶ島海岸

堂ヶ島天窓洞

堂ヶ島天窓洞

白鳥山

白鳥山

龍宮窟

龍宮窟

ユウスゲ公園

ユウスゲ公園

 
中木の柱状節理

中木の柱状節理

口野の切通し

口野の切通し

仁科港枯野公園付近(西伊豆町)

仁科港枯野公園付近(西伊豆町)

子浦三十三観音

子浦三十三観音

妻良港

妻良港

 
石廊崎

石廊崎

田牛サンドスキー場

田牛サンドスキー場

爪木崎の俵磯

爪木崎の俵磯

竜宮窟

竜宮窟

雄飛滝

雄飛滝

 千貫門

千貫門

恵比寿島

恵比寿島

烏帽子山

烏帽子山

城山

城山

旭滝

旭滝

寝姿山と下田富士

寝姿山と下田富士

沢田公園(西伊豆町仁科)

沢田公園(西伊豆町仁科)

柿崎の斜交層理

柿崎の斜交層理

白浜海岸

白浜海岸

柿崎弁天島

柿崎弁天島

葛城山山頂からの眺望

葛城山山頂からの眺望

牛臥山

牛臥山

 浮島海岸

浮島海岸

 日向 乱泥流

日向 乱泥流

馬ロック

馬ロック

No.3 陸化後に並び立つ大型火山群

No.3 陸化後に並び立つ大型火山群
伊豆全体の陸化が起きた後には、天城山や達磨山などの大型火山があちこちで噴火を始め、一時は標高2,000メートル近くに及んだであろう山脈を形成した。

こうした大型の陸上火山群はおよそ20万年前までには噴火をやめてしまったため、その後は浸食作用により、山頂部分を含む山体の大半は失われたが、伊豆スカイラインの走る尾根から天城連山を経て、猫越岳から達磨山に至る現在の伊豆半島の屋台骨とも言える山並みに、かつての壮大な容姿の面影が残されている。

これらの大型火山群が作った緩やかな山腹や裾野は、中伊豆・北伊豆地域を中心に今も各所に残り、雄大な高原として観光や畑作・畜産などに利用され続けている。

さらには道路沿いの崖などで、火山群が流した何枚もの溶岩の積み重なりも目にすることができる。

【画像提供:伊豆半島ジオパーク推進協議会】

玄岳からの眺望

玄岳からの眺望

西浦の大型陸上火山噴出物

西浦の大型陸上火山噴出物

大瀬崎火山の火道

大瀬崎火山の火道

東伊豆の穴切海岸

東伊豆の穴切海岸

細野高原

細野高原

達磨山

達磨山

 天城山

天城山

錦ヶ浦

錦ヶ浦

No.4-1 生きている伊豆の大地

No.4-1 生きている伊豆の大地
多種多様な地形と造形をもたらす伊豆東部火山群

現在進行形で活動中の伊豆東部火山群は、伊豆に多種多様な地形・造形をもたらす小火山の集合体である。

日本のほとんどの活火山が、同じ場所から何度も噴火し、結果として大きな火山の姿に成長する「複成火山」なのに対し、伊豆東部火山群は一度噴火したら二度とその場所は噴火せず、結果として小型の山体をつくる「単成火山」の集まりである。

日本を始めとしたプレートが沈み込む場所の近くで、単成火山が群れを成す事例は、世界的に見ても稀である。

伊豆東部火山群は、学術的にも貴重な事例であり、その火山活動は、伊豆半島に新鮮で、豊かな自然環境をもたらしている。

【画像提供:伊豆半島ジオパーク推進協議会】

 一碧湖

一碧湖

大室山山頂

大室山山頂

城ヶ崎海岸

城ヶ崎海岸

つばくろ島(城ヶ崎海岸)

つばくろ島(城ヶ崎海岸)

対馬(たじま)の滝

対馬(たじま)の滝

大東館の防空壕跡 (伊東市)

大東館の防空壕跡 (伊東市)

稲取の黒根岬

稲取の黒根岬

稲取スコリア丘

稲取スコリア丘

河津七滝

河津七滝

佐ヶ野川遊歩道

佐ヶ野川遊歩道

鉢ノ山スコリア丘

鉢ノ山スコリア丘

三段滝

三段滝

滑沢渓谷

滑沢渓谷

浄蓮の滝

浄蓮の滝

カワゴ平

カワゴ平

大室山の火山弾

大室山の火山弾

大室山スコリアラフト

大室山スコリアラフト

大室山のスコリア

大室山のスコリア

城ヶ崎と大室山

城ヶ崎と大室山

池の盆地

池の盆地

No.4-2 生きている伊豆の大地(2)

 No.4-2 生きている伊豆の大地(2)
姿を変えゆく大地

伊豆半島はフィリピン海プレートの北端に位置する。

日本列島の中で、フィリピン海プレートの上に存在する半島は、伊豆半島ただ一つ。

フィリピン海プレートに乗って移動を続けた伊豆の大地は、100万年ほど前に本州に衝突を開始し、60万年ほど前に現在の半島の形となった。

本州との合体後も、依然として伊豆の大地は本州を北西方向へと押し続けており、本州側に大きな変形を与えるとともに、断層活動や、上下変動、回転運動などにより、伊豆自身もその姿を変え続ける。

【画像提供:伊豆半島ジオパーク推進協議会】
丹那断層

丹那断層

火雷神社

火雷神社

No.5-1 変動する大地とともに生きてきた人々の知恵と文化(1)

 No.5-1 変動する大地とともに生きてきた人々の知恵と文化(1)
地形・噴出物・鉱床・地熱・水の利用と活用

火山の噴出物には隙間が多い。海に囲まれた半島に標高1,000メートルを超える高山を有する伊豆は、海からの湿った風が上昇気流となって大量の降雨をもたらし、火山噴出物の隙間を利用して、豊富な「地下水」を蓄えている。

それらの一部は、高い「地熱」によって温められた結果、「温泉」として湧き出し、地熱や温泉は岩石を変質させ、豊富な「鉱床」を作り出している。湧き出す地下水は、ワサビや稲や他の作物栽培に利用されるだけでなく、飲料水としても重宝されてきた。

大地とその活動は、古来より伊豆に生きる人々の生活の糧として利用されてきた。

時おり起きる火山噴火によって流れ出た溶岩や土石流が山地の谷間を埋めたり、海に流れこんで土地を増やしたため、そうしてできた平坦な土地が住居や農地・牧場として利用され、最近はゴルフ場などのレジャー施設にも使われている。

また、火山の「噴出物」には良質な石材となるものも多く、近代以前から数多くの採石場がつくられ、現在も各地で採石が続けられている。

このように、人々は古来より特異な地学的状況がもたらした地形・噴出物・鉱床・地熱・地下水などをうまく利用し、生活の糧としてきた。

つまり、伊豆の住民は知らず知らずのうちに火山が生み出した豊かな産物を利用する知恵と文化を身につけてきたのである。

【画像提供:伊豆半島ジオパーク推進協議会】
室岩洞

室岩洞

峰温泉大噴湯公園

峰温泉大噴湯公園

伊豆山の走り湯

伊豆山の走り湯

土肥金山

土肥金山

三嶋大社

三嶋大社

白濱神社

白濱神社

沼津港大型展望水門「びゅうお」

沼津港大型展望水門「びゅうお」

筏場のわさび田

筏場のわさび田

旧天城トンネル

旧天城トンネル

No.5-2 変動する大地と共に生きてきた人々の知恵と文化(2)

No.5-2 変動する大地と共に生きてきた人々の知恵と文化(2)
防災・減災への先進的取組

伊豆の大地は住民に大きな恵みをもたらしてきた一方で、厳しい試練も課してきた。地形が険しく雨が多いことは、土砂災害や水害の発生しやすさを意味する。

丹那断層の活動による北伊豆地震(1930年)や、石廊崎断層の活動による伊豆半島沖地震(1974年)など、現在も進行中のプレート運動や断層活動が時として地震を発生させる。

伊豆の陸上や近海では、時おり火山噴火も生じてきた。その最新のものが伊東沖海底噴火(1989年)である。

こうした数々の災害に対し、人々はただ手をこまねいていたわけではない。山々に砂防施設を築いた上で、狩野川(かのがわ)の治水工事にも取り組み、いざという時には流れをバイパスする放水路も建設した。

また、丹那断層の発掘調査をおこない、その平均活動間隔を明らかにして次の地震の発生時期を予測するという、世界に誇る研究成果をあげた。

さらに、地下のマグマの動きをとらえる観測網を整備し、群発地震の開始・規模・終息や噴火可能性を予測する技術や、その結果を住民に伝える情報体系を実用化しつつある。

こうした防災科学技術は、伊豆での研究開発が世界をリードしていると言っても過言でない。静岡県と伊豆の防災・減災への先進的取組は、伊豆をより安全な観光・保養・居住地へと導いている。

【画像提供:伊豆半島ジオパーク推進協議会】

狩野川放水路(伊豆の国市)

狩野川放水路(伊豆の国市)

狩野川放水路(沼津市)

狩野川放水路(沼津市)

沼津港大型展望水門「びゅうお」

沼津港大型展望水門「びゅうお」

沼津港水門展望施設「びゅうお」の連絡橋

沼津港水門展望施設「びゅうお」の連絡橋

仏現寺(伊東市)

仏現寺(伊東市)

海蔵寺(伊東市)

海蔵寺(伊東市)

三島神社

三島神社